光を見た ハンセン病の同胞たち 趙根在(チョウ・グンジェ)
炭鉱労働者からハンセン病の写真家へ。
稀有な写真家誕生まで。
5月中旬刊行予定
- 趙根在(チョウ・グンジェ)
- 四六判 340頁
- 978-4-906681-66-2
全国のハンセン病療養所を訪れ、ハンセン病を撮り続けた写真家が、撮影体験を経た後、骨身を削って書き刻んだ文章を収録。学校教育では得られない、肉体が獲得した日本語がそこにある。
[収録作]
・ハンセン病の同胞(きょうだい)たち
・座談 炭坑・朝鮮人・ハンセン氏病
・片割れ監修者の私記
・哀哭・上野英信先生
・八十三年の夢 聞書・文守奉小伝
・趙根在写真掲載リスト
・年譜
・文献目録
※収録作には、関連する写真を掲載。
愛知県生まれの在日朝鮮人2世の元炭鉱労働者、写真家(1933年~1997年)。中学三年から炭鉱で働き、その後、映像制作現場での照明の仕事などを経て、1961年より多磨全生園を皮切りに、全国のハンセン病療養所を訪れ、ほぼ20年間にわたり、入所患者、建物・施設、行事などハンセン病関連の写真を撮影する。その点数は少なくとも2万5000点におよぶ。1982年以降は、写真撮影から離れ、ハンセン病問題の根源を問う研究に専念する。撮影フィルムは国立ハンセン病資料館に所蔵されており、未公開写真の公開が待たれる。
写真集に『趙根在写真集』(2002年)、監修書に『写真万葉録・筑豊』(全10巻、1984~86年、共同監修者・上野英信)がある。