在日朝鮮人とハンセン病 金 貴粉
在日朝鮮人とハンセン病
- 金 貴粉
- 価格(本体2000円+税)
- 四六判 312頁
祝・第3回「神美知宏・谺雄二 記念人権賞」受賞!
その歴史と現在を知るために明らかにされなければならない事実がある
朝鮮人ハンセン病患者はどのような経緯で発病し、どのように遇され、いかなる生をここ日本の地で送ってきたのか。また送っているのか。そして送ってこれなかったのか。本書は、在日朝鮮人ハンセン病患者が辿ってきた道のりと生き様を、在日三世の著者が、各地の療養所を訪れ、そこで暮らす朝鮮人患者への聞き書きと、朝鮮人患者団体や各療養所で出されていた機関誌・紙などの記録を通して、明らかにし、彼ら彼女らの歴史と現在を浮き彫りにする。また、各療養所で出されている年報を丹念に調べあげ、各年度の朝鮮人入所者数を資料としてまとめている。それは日本のハンセン病史が置き去りにしてきた事実である。
本書中には療養所を撮り続けた写真家・趙根在氏の作品も掲載しています。また本書は金夏日氏より推薦をいただいております。
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高麗博物館にて企画展『ハンセン病と朝鮮人』が開催中(2024年1月30日~6月30日)
【本書の内容[目次より]】
まえがき 問題の所在と課題
1.戦前日本の癩対策と朝鮮人
1)日本における隔離政策の始まり
2)朝鮮における隔離政策
3)日本への朝鮮人の流入と発病
4)在日朝鮮人ハンセン病患者の発病と入所経緯
2.戦後日本のハンセン病対策と朝鮮人1)療養所における在日朝鮮人ハンセン病患者と出入国管理体制
①外国人登録証への反発
②ハンセン病患者への強制退去に関する記載
2)在日朝鮮人ハンセン病患者への取締り強化
①「韓国癩」への取締りと「癩刑務所」設立要求
②「密入国」朝鮮人患者と大村収容所菊池分室
3.ハンセン氏病患者同盟結成と年金闘争1)国民年金法制定と朝鮮人入所者
2)在日朝鮮人・韓国人ハンセン氏病患者同盟の結成
3)全患協、全盲連による後援
4)朝鮮人年金獲得運動に対する日本人入所者からの批判の声
5)日本人知識人による無理解
6)全患協、全盲連との共闘による「解決」
4.南北分断と朝鮮人入所者 1)南北分断による入所者同士の思想対立
①北朝鮮への帰国熱
②帰国者のその後
③韓国への帰還
④帰還がかなわなかった入所者
1.療養所に生きる
1)療養所の暮らし
①患者作業
②恋愛・結婚
③識字と在日朝鮮人2.それぞれの個人史
1)具奉守
2)金相権
3)金潤任
4)金夏日
3.望郷の思い
1)朝鮮半島への一時帰国
①韓国への帰郷
②韓国への集団里帰り
③北朝鮮への帰郷 2)ここ日本の地で
①アリランの会
②外部からの慰問公演
③在日同胞、本国への支援活動 あとがき
主要関連文献
在日朝鮮人入所者関連文献
関連年表
資料
金貴粉(キン・キブン) : 北海道函館市生まれ。現在、国立ハンセン病資料館学芸員、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員、津田塾大学非常勤講師。在日朝鮮人ハンセン病回復者の歴史、朝鮮書芸史を主な研究テーマとして活動している。
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